楽器の女王ウードの意外な事実

吉祥寺で民族音楽ラボを営む
スワラジのウエダタカユキです

バイオリンや弦楽器を作る人がリューター
とよばれるように、ほとんどの弦楽器のルーツ
と考えられるリュートに大きな影響を与えて
アンサンブルでソロで
最も汎用性の高い民族楽器
ウードについて

日本語のウイキペデイアよりも
わかりやすく深堀りしますね

ウードがオススメの理由

ギターとか、ウクレレもいいけど
ちょこっと変わった楽器やってみたいなー
という方に
ウードはおすすめの理由は

  • 汎用性がとっても高い
  • なだらかなフォルムがかっこいい
  • めちゃ軽くて持ち運びが楽
  • ネットからでもカンタンに買える
  • 日本でも意外に多くの人がやってる

ということで
こうした楽器の初心者にとって
日本語でもわりとおおくの情報があるので
意外に?敷居はひくいです。

ウードの起源はとてつもなく古い

中世の時代
西洋古楽器リュートのもとになったといわれるウードは
その起源はとっても古く

今のパキスタンアフガニスタン
かつてのガンダーラには

ウードのような
ネック(竿)の短い楽器を持った
西暦1世紀ごろの
レリーフもみつかっています

Wikipedia Hellenistic banquet scene from the 1st century AD, Hadda, Gandhara. Short-necked, 2-string lute held by player,

現在のウードのおしりは
まるくて大きいので
スタンディングポジションでの演奏は
やりにくいのですが

この時期は琵琶のように
ドーム型のボデイではなく
フラットバックであったと思われます

音楽学者のリチャード・ダンブリル(Richard Dumbrill)によると
リュート科の楽器は紀元前3000年以前のメソポタミアにも
存在していたといいます


Egyptian lute players with long-necked lutes. Fresco from the tomb of Nebamun, a nobleman in the 18th Dynasty of Ancient Egypt (c. 1350 BC).

それでも
古代エジプトの絵画にみられるような
リュート系の楽器はどちらかというと
ネックが細長いかたちをしているので

ウードのようなネックが短いリュート系の楽器は
ガンダーラのレリーフにみられるように

メソポタミアのはるか東、

バクトリアやガンダーラなど
中央アジア〜パキスタン西部周辺で発展したと
考えられています

ペルシャ文化圏といえども
アフガニスタンやパキスタンの北西部
なので中東からみると辺境に位置することがうかがえます。

その後
これらの地域は

ササン朝ペルシャ224-651
の一部となり

バクトリアのネックの短いリュートは
バルバットとよばれ

後のイスラム世界のウードになった
と考えられます。

ウードの低音の魅力

ウードが汎用性がたかい
アンサンブルに最適な楽器の
大きな理由のひとつに、低音が出せることにあります。

アラビアのウードは
ペルシャ文化圏のバルバットBalbatに
古代ギリシャの竪琴バルビトンBarbitonの
低音を組み合わせたとい可能性も高いとも
考えられてます。 

古代から中世に時代が下り
8世紀〜9世紀 
イスラム世界が
今のスペイン、イベリア半島を制服したあとに

多くのオリエント世界の音楽家が移り住み
ウードをヨーロッパにもたらしたと
いわれています。

この頃4弦であった
ウードに5弦が加えられて

当時世界の最先端の文明を誇っていた
コルドバには音楽学校が設立されたといわれています。

ウードのような楽器は
音量こそ小さいのですが

少ない弦で
持ち運びもしやすく
低音も出せる
ような

リュート系の楽器の登場は
当時のヨーロッパ世界にとって

さぞかし衝撃的な出来事だったのでしょう

北アフリカにのこる中世のウード

今では
5コース、もしくは6コースが主流のウードですが

アルジェリアのトレムセン
中世アンダルスの影響が残る地域では

kouitraという
昔のウードの面影をのこした

4弦のものが今でも作られています

サウンドホールが樹のかたちになっていて
大きさも小さそうなので
かわいい感じですね😌

ネックが短くないとリュート系じゃない?

ウードやリュートの起源のひとつと
考えられている

テュルク系の弦楽器
コプス(コムズ)がありますが

私の演奏者としての感覚としても

ロングネック系のリュートと
ショートネック系のリュートでは

奏法なども異なるので
この意見にはうなずけるところもあります


似て非なるもの 写真上ウード 下クレタンラウト

オルガン学者であるカート・サックスは、「長首のリュート」と「短首のリュート」を区別している」
ダグラス・アルトン・スミスは、長首のリュートをリュートと呼ぶべきではないと主張している

wikipedia Oud

たしかに

見た目はにたような
アーモンド型の楽器でも

  • イスタンブールのラウタ
  • ギリシャクレタ島のクレタンラウト

などは音質も奏法も
ショートネックのウードとは

かなり違う感覚があります。

ウードが楽器の女王とよばれる理由

結論として
ウードはほんとうに便利な楽器です

こうして長ーい歴史と
ひろーい地域を旅してきた

ウードは
低音も出せる
軽くて持ち運びも楽
なことから

ヨーロッパの楽器にも大きく影響を与えて
今でもさまざまなシーンで活躍しています

さらいにフレットレスでもあるので
微細な音程もコントロールできます。

西洋のリュートだけではなく


日本の琵琶も
どことなく
ウードのかたちに似ていますよね

楽器の世界に大きなインパクトを

与えたウードが楽器の女王とよばれるのも
納得ですね😊

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です