バイオリンのルーツを辿ってトルコにいってみたら

こんにちはー
東京吉祥寺で音楽ワークショップ
スワラジ民族音楽ラボを主宰するウエダです

弦楽器のルーツをめぐる旅
トルコのイスタンブールで
出会った古楽器(民族楽器)で
演奏活動をはじめて
4年経ったので
資料と経験をベースに
あらためてバイオリンのルーツの
ケメンチェ(リラ)を深堀りしますね

バイオリンはそんなに古くない楽器?

バイオリンが今の形になったのは
16世紀初頭、
日本でいえば戦国時代もおわりのころ
じつはそんなに昔のことではありません

中世の時代 10世紀〜12世紀頃
ビザンツ(東ローマ)帝国時代の
レリーフにみられるように

3弦で
馬頭琴や二胡のように
下から弓をかまえるフォームがみられます

Byzantin Lyra より引用

このことからも
今では西洋を代表するような楽器

バイオリンやチェロのルーツは
東方オリエント世界から

伝わったと考えられているのです

もちろんリラ(ケメンチェ)だけが
西洋の擦弦楽器のルーツというわけでは
ありません、
アラビアのレバブなども
ルーツのひとつと考えられてますが
今日はリラにフォーカスしますね😌

ペルシャ人の残した記録には

東ローマ帝国で使われていた楽器の記録として

最初に記録されたものに

ペルシャ人の地理学者
イブン・ハラダービフ

はビザンティンの代表的な楽器として
リラ弓で奏でるリラの記述がのこっています

当時の学問の最先端は
アラビア中東地域でしたので
このような記述がちゃーんと
記録されているのですね。

弓の楽器がヨーロッパに与えたインパクト

古代ギリシャ世界において
リラは竪琴でしたが



中世には竪琴のリラが
いつのまにか
東洋の影響を受けた
弓でひく楽器にかわっていったプロセスが
確認できます。

その後のバイオリンなどの発展からも
わかるように当時のヨーロッパ世界において


馬の尻尾に松脂つけて
ギコギコかき鳴らす


擦弦楽器の登場は
よほどのインパクト
衝撃的だったというのが
伺えますね😌

ケメンチェにのこる中世の面影

その後
ルネサンス期をむかえて
ヨーロッパ文明が
東方オリエント世界の強い影響下にあった
中世からぬけだして
独自の発展をしていくにともない
リラ・ダ・ブラッチョのように

だんだんと今のバイオリンに近い形の楽器が

生まれて次第に現代の西洋音楽にちかいものに
なってくるのですが

トルコのイスタンブールには
いまでも

中世のリラの面影を強くのこした
楽器ケメンチェが大切に
受け継がれています😊

日本人に最適なケメンチェ

ビザンツ時代(東ローマ)のリラの
面影を最も色濃くのこした楽器が

クラシックケメンチェ(トルコ語)
または
ポリティキ・リラ(コンスタンティノープルのリラ)

なのです。

チェロやヴァイオリンなどとの
おおきな違いは

左手の弦を指のハラで抑えるのではなく
爪をあてて音程をコントロールするのですが
この奏法により

  • 独特の枯れたような
  • 擦れたような
  • 昔のレコードのような

音を出すことができます

なんというか、ワビサビの世界にも
通じますよね

ただ、
シンプルな見た目とは裏腹に
クラシックというだけあって
古典の楽器なので

それなりに難易度は高いのですが

今の西洋楽器では表現できないような


繊細で優美な
曲線美を
音で描くこともできます

なにより
大きさも小さく
バイオリンのような大きな音ではないので
日本の住環境には最適なのかもしれません。

手が小さくても大丈夫な理由

バイオリンや
ギターなどの弦楽器は

ポジションといって

指をいっぱいに広げた状態で
おさえることが多いので

手が小さい人には

どうしても不利になってしまい
挫折する人も多いのですが

ケメンチェは
手の大きさは

ほとんど関係ないと断言できます

事実

私がイスタンブールで

ケメンチェを習った先生は
とてもとても小柄な方でした

ケメンチェが女性に人気な理由

イスタンブールの
ケメンチェ工房を訪れて
驚いたのは

若い女性のケメンチェ奏者が
とても多かったことです

難易度は高くても

小さい手でも弾ける
女性的な曲線美を表現できる
軽くて小さくて持ち運びもカンタン
なケメンチェが女性に人気な理由も
うなづけますよね

かといって
トルコ人ならだれでもしってるわけではなく


トルコのみなさんは
ダンスとともにジャカジャカかき鳴らす
黒海ケメンチェのほうをイメージするみたい

やはり古典の楽器なので
かなりニッチなんですね

とはいえケメンチェは

親しみやすい民謡から
深淵なクラシック(古典
)まで

幅広い世界が広がっているので

時間をかけて生涯をつうじて
学んでいける楽器です😌

ケメンチェの難易度を下げる方法

そうはいっても

フレットもない
指板もない
上駒もない

ケメンチェは
弦楽器経験者でも
はじめのうちは

音階を弾くのも難しいかもしれないですが
ケメンチェの難易度を下げる方法があります

それは
チェロの鉄弦にすることなんです

イスタンブールの古典派の演奏家の
多くは

ケメンチェの真ん中弦と細い弦を
ガット弦

つまり羊の腸をよじった

ホンモノの裸ガット弦をつかってます
この方が

音量が大きい
・音質に深みがある

などのメリットはありますが
いかんせん、難易度はあがります

また、ある程度の圧力で
弾かないとちゃんと音が出ないので

チャキチャキ弾いたり
小さな音でダイナミクスをつけたり

するのが難しくなるデメリットもあります😭

ギリシャでもケメンチェは
Politili Lyraとよばれて

演奏家によって受け継がれているのですが

ギリシャの演奏家の多くは
ケメンチェにガット弦ではなく

チェロ弦をつかいます

実は私もはじめガット弦でしたが

あまりの難しさと
さまざまな音楽にあわせたいとの
思いから

ガット弦→チェロ弦に
変更しました。

そんなわけでスワラジ民族音楽ラボでは

モードに基づいたレッスンなども
開催してます

ケメンチェを入手したい場合は

Ebayでも買えますが
長く使うのであれば

イスタンブールのケメンチェ職人
Murat yerden さんに
直接オーダーしたり
問い合わせてみてもいいかもしれないです😊

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